ゆとシートⅡ for SW2.5

ジロウ - ゆとシートⅡ for SW2.5

ジロウ

プレイヤー:ニジ

記憶喪失…?

種族
リカント
年齢
たぶん十代
性別
種族特徴
[暗視(獣変貌)][獣変貌]
生まれ
戦士
信仰
ランク
穢れ
10
9
6
4
9
7
6
9
2
成長
7
成長
6
成長
8
成長
9
成長
0
成長
6
器用度
21
敏捷度
25
筋力
24
生命力
24
知力
15
精神力
14
増強
2
増強
1
増強
増強
増強
増強
器用度
3
敏捷度
4
筋力
4
生命力
4
知力
2
精神力
2
生命抵抗
16
精神抵抗
14
HP
60+17=77
MP
14+2=16
冒険者レベル
12

経験点

使用
64,000
残り
3,420
総計
67,420

技能

ファイター
12
スカウト
9
エンハンサー
3
アルケミスト
1

一般技能

料理人
5
家政夫
5

戦闘特技

  • 《武器習熟A/ソード》
  • 《両手利き》
  • 《二刀流》
  • 《武器習熟S/ソード》
  • 《必殺攻撃Ⅱ》
  • 《双撃》
  • 《タフネス》
  • 《トレジャーハント》
  • 《ファストアクション》
  • 《影走り》

練技

  • 【キャッツアイ】
  • 【マッスルベアー】
  • 【メディテーション】

賦術

  • 【クリティカルレイ】

判定パッケージ

スカウト技能レベル9 技巧 12
運動 13
観察 11
アルケミスト技能レベル1 知識 3
魔物知識
0
先制力
13
制限移動
3 m
移動力
26 m
全力移動
78 m

言語

会話読文
交易共通語
リカント語
魔動機文明語

賦術

賦術
基準値
ダメージ
上昇効果
専用
アルケミスト技能レベル1 賦術 3
技能・特技 必筋
上限
命中力 C値 追加D
ファイター技能レベル12 24 15 16
《武器習熟S/ソード》 3
武器 用法 必筋 命中力 威力 C値 追加D 専用 備考
スティールブレイド 1H 19 0 24 10 3
スティールブレイド 0 3
専用首切り刀 1H 20 0 30 +1=4
2H 0 40 +1=4
専用首切り刀(2本目) 0 0
ダガー 1H投 0 0
技能・特技 必筋
上限
回避力 防護点
ファイター技能レベル12 24 16
防具 必筋 回避力 防護点 専用 備考
ハードレザー 13 4
合計: すべて 16 4
装飾品 専用 効果
専用スマルティエの聴音器 ✔MP 10m手前から聞き耳判定できる
熊の爪 マッスルベアー+1
背中 スマルティエの風切り布 10秒間の間、命中、回避+2
右手 宗匠の腕輪
左手 巧みの指輪
専用アルケミーキット ✔HP
水蜘蛛のサンダル 水面に立つことが出来る
俊足の指輪
所持金
5,041 G
預金/借金
0 G

所持品

スカウト用ツール
冒険者セット
使いやすい調理道具セット
保存食(5/7日分)
巧みの指輪(破壊)×2
俊足の指輪(破壊) ×2
魔晶石3点×6(破壊)
聖なる豆×1
怪力の腕輪×1(外した)
俊足の指輪(予備)×3
巧みの指輪(予備)×4

バックラー×1(外した)
アビスシャード×9
ダガー×4
月光の魔符+1×7
月光の魔符+1×2(破った)
魔晶石3点×12
Aポーション×2
剛力の指輪×1
白いスカーフ(プレゼントした)
ヒーリングポーション+1×2
幸運のお守り

マテリアルカード

BASSS
10118
名誉点
808
ランク

名誉アイテム

点数
冒険者ランク
使いやすい調理道具セット5
専用スマルティエの聴音器50
専用首切り刀50
専用首切り刀50
専用アルケミーキット50

容姿・経歴・その他メモ

リカントの少年。まだ若い為か、そこまで体は大きくない。リカントではチビなほう。獣変貌の姿は狼。
お調子者で、すぐ泣きごとを言って、情けなくて、割と思ってることがすぐ口に出る、ヘタレなわんわん。
唯一の家族である姉を傷つけ、呪いをかけた魔物を討つ(?)為、冒険者になった。

好き:料理、家事、かわいい女の子、呪歌、回復魔法、アルケミスト、仲間、パステルちゃん
嫌い:痛いの、戦い、急流下り、クマ

【経歴】
伴侶がいる(いた)
田舎で育った
投獄されたことがある

【冒険に出た理由】
家族・仲間の仇を討つため

履歴

【伴侶がいる(いた)】
雪の降る夜。
みすぼらしい恰好の男の子が路地裏に座り込んでいた。
頭と肩に雪が降り積もる。
誰も気にも留めず通り過ぎていく。
飢えと寒さで男の子のまぶたがゆっくり落ちる。
『寝るな起きろ』誰かがそう男の子に言った気がしたが、男の子は顔を上げる元気すらなかった。
ごつん。
男の子の頭が叩かれた。
男の子がのそのそと顔をあげると、二刀を腰に下げたリカントの少女が、サンドイッチを差し出した。
「この街で同族は初めて見た。食え」
男の子は野良犬の様にサンドイッチにがっついた。中身は干し肉だった。うめぇ!うめぇ!
「うまいか?」
コクコク。
「お前を、私の仲間にしてやる。私について来い。守ってやる」
男の子はとりあえずコクコクと頷いた。頷けばまた上手い料理が食べられそうだったからだ。

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

【田舎で育った】
「あああああぁあああ!?死ぬ!今度こそ死んでしまう!?」
雪の降る夜から10年後。とある田舎…の山の中。
数十匹もの狼、怪鳥の群れに、リカントの少年が追われていた。木の上から、彼の姉(※1)が腕組みしながら見ている。
「逃げているだけでは修行にならない。戦え、ジロウ。正々堂々剣を抜き、誇り高く戦え」
「そぉいうのは強い奴しか言えないセリフじゃボケーーー!!嫌やーー!死にたくないーーー!?」鼻水と涙を垂らしながら少年は逃げる。
かなり情けないが、逃げ足はアホみたいに速くギリギリ追いつかれずに済んでいる。あ、転んだ。
「あぁあああ!?なんで運命はいつも俺に残酷なんだーー!?」
姉はやれやれと溜息をつくと、ジロウを守るように仁王立ち。二刀を抜き放ち、まるで踊るように魔物を斬り倒していく。
ジロウはじぬ、じぬぅ!と涙を流しながらそれを見ているだけで…あっという間に魔物は全滅した。
「し、死んだと思ったぁ…!!」ぜーぜーと息をしながら、ジロウは座り込んだ。
「私はまたしばらく仕事に行ってくる。留守の間は家で修業を怠るなよジロウ。ただまぁ…自分より強い奴に戦いを挑む様な修行はやめておけ」
「やらいでか!」

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

それから一ヶ月ほどして、姉がとある魔物に負け、怪我をしたとジロウに連絡が届いた。
「(いやいや…怪我っていったって姉ちゃんのことだから、大した事ないに決まってる)」
徒歩で3日のところを1日で駆け抜け、連絡のあった施療院にジロウは駆け込んだ、そこには。
「なんだ…もぐもぐ、早かったな…もしゃもしゃ」施療院のベッド上で、肉を元気よく食べてる姉がいた。ジロウはオーバーラン気味にコケた。
「話と違うんじゃございませんかねぇ!?」怒り半分安心半分。
「まぁ落ち着け。今日はお前に渡したいものがあってな」
格調高い羊皮紙をジロウへ手渡す…料理学校への推薦状だった。
ジロウがずっと行きたかった、伝統ある料理学校だ。
「おおおおお!?お姉さま好き!大好き!…いやでも急にどうして。俺を鍛えるのが姉ちゃんの歪んだ愛情表現(※2)だったじゃん」
「気持ち悪い言い方をするな。大きな施療院に転院して、怪我の治療に専念しようと思ってな。お前に構う時間がないんだ」
「転院!?なんだよなんだよ~…それなら最初からそう言ってくれよ姉ちゃ~ん!そしたら俺だって引っ越し準備してここ来たのに…」
姉は冷たいまなざしを弟に向けた「お前がついてきたら休めるもんも休めん。お前は料理学校へ行けばいい」
「あっ、はい」1秒で即答する弟。
「…でもなんか変だな姉ちゃん。あとでやっぱ無しとか言わんだろーな?もうこれ俺のだから返さないけど」うるんだ瞳と震える尻尾で、推薦状をぎゅっと抱きしめた。
「あんまりしつこいと無しと言うぞ。…私の名声が高いとはいえ、それを手に入れるのには苦労したんだぞ」
姉はいつもの仏頂面ではなく、柔らかく微笑んだ。ジロウはギョッとした。
「夢だったろ、料理をちゃんと勉強するの。楽しんで来い。手紙くらいよこせよ」
「う、うん!うひょーやったーー!!」
お姉さまアイラビュー!と言ってジロウはウキウキと姉と別れた。
一流の料理人になってウハウハになって自分の家を持って可愛いお嫁さんをもらうのが、ジロウの夢だったのだ。あ、スキップしてる。
施療院を出ようとした時、ある部屋から話し声が聞こえた。
「…二刀の達人といえど、もう剣は持てないだろうな」
ジロウの獣耳がピクピク。壁にヤモリのようにへばりつき、聞き耳を立てる。かなり気持ち悪い体勢である。
「魔剣に斬られて、呪いをかけられたんだ。寿命が半分になって戦えない身体になっただけで済んで、良かったのかもしれないな」
「戦うのが生き甲斐みたいな方だったけど、仕方ないね。命あっての物種だし」
その後もうわさ話は続いた。カサカサカサとジロウは動き、聞き耳を立てた。家庭内害虫のようだ。

●得た情報
・呪われた魔剣に斬られて、姉の寿命が半分になった。
・戦える身体ではなくなった。(そういえば、杖がベッド横に置いてあった)
・呪いを解くには魔剣を破壊しなくてはいけない。(有名な魔剣らしいが、ジロウはバカなので知らなかったが…)
・魔剣を所持する魔物の詳細、現地地は不明。唯一分かっているのは黒く禍々しい魔剣を使うという事。

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

ジロウは保存食の干し肉を買い、川から水を汲むと家路へとゆっくり歩いて行った。
「(普通に飯も食えてるし…寿命が半分になっただけで済んで、まぁよかったじゃないか、うん)」
姉からもらった料理学校への推薦状と、学校の紹介文が載っている羊皮紙(いわゆるパンフレット)を眺める。
パンフレットには、魔動機文明時代の調理器具を用いた授業開講予定。一クラス分の調理器具を完備。…胸躍るような文章が書いてある。
「うっわ、なんじゃこりゃあ!? マルチクッカー!?圧力調理、煮こむ、蒸す、炒めるがこれ一つで…!?」
『この街で同族は初めて見た。食え』
パンフレットには、あの世界的料理人ワン・トミトクも講師に。…心躍るような文章が書いてある。
「すげぇ!?ワン・トミトクも講師にいんの!?」
『お前を、私の仲間にしてやる。私について来い。守ってやる』
パンフレットには、更に更に、幸せハッピーな学園生活の内容、青春万歳な文章が書いてある。
うわーやったー!バラ色じゃん俺の未来!とか声に出したりして少年は歩く、歩く。

『肩を揉め』
『お前ちょっと冬毛うざいから切れ』
『リカントのくせに風邪なんかひくやつがいるか。今おかゆを作ってやる。…不味いからいいだと…?殺すぞ』

憧れだった料理学校に通って、自分の店を持つのは小さいときからの夢だった。店の名前も実は密かに考えてあるのだ。

『ジロウ、お前意外と料理の才能あるんじゃないか?その辺の店より美味いぞ』
『掃除しておけ、サボったら殺す』
『また病気したのか。お前ちょっと体弱いんじゃないか』

そう、小さいときからの夢。
あの時食べたサンドイッチみたいな美味いものをいつか人にも出せればいいなと、ずっと思っていた。
あのサンドイッチから始まった夢だった。

『戦うのは嫌い?鍛錬なんて嫌だ?バカを言うな、私が教えてやる。甘ったれるな、殺すぞ』
『バカ、私の真似して二刀じゃなくていい。お前は私じゃない』
『なんで俺を鍛えるかだと?お前が弱くて死なれたら、目覚めが悪いからだ。強くなれ。私より先に死ぬな』

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

「これでよし、と…」
ジロウは旅支度を終えると家を戸締りした。しばらく帰ることもないだろう。
「わはは!要は、アレだ。別に正々堂々戦わなくても、強そうな人に倒してもらってもいいし!魔物が寝てる間とか、風呂入ってる間に、こっそり魔剣だけ盗んで壊してもいいし!楽勝楽勝!!」
カラ元気で独り言を言った。少年は選択した。
料理人としての輝かしい道から、大きく外れることとなった。残念ながら、少年はバカだったのだ。
「よっし、とりあえず冒険者になって…あとはこう、各地を旅してれば情報が入るだろ!」
えいえいおー!ヤケクソ気味に旅立っていった。


【投獄されたことがある】
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「違うんじゃ――!財布を…財布を落としただけなんですぅ!!」
「はいはい話は留置所で聞くから」
旅に出て翌日、無銭飲食で投獄された。
誤解を解いた後は、しくしく泣きながら、尻尾もしおしお、皿洗いして食事代を返済する少年。
頑張れ少年、負けるな少年、本当につらいのはここからだ。


(※1)姉…二刀流剣術において、天才的なリカントの女性。傭兵を生業にしている。姉と言っているが、血のつながりはない。孤児だった男の子を拾い、義理の姉と弟になった。姉はダメな弟と違い、誇り高く無敵の剣士。…なんで一緒にいてあげてるの?

(※2)歪んだ愛情表現…情けない弟に狼をけしかけるて強くしようとするのは、世間的に歪んでいる。自分が出来るからと言って、人が出来るとは思ってはいけない。姉は人に教えるのが爆裂に下手くそだった。


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【幕間エピソード…戦闘特技:両手利き】

かわいい女の子なんて居やしない、つまんない町はずれの原っぱに俺はやって来た。
今日はあることを試したくて、柄にもなく一人で行動しているのだ。
持ち前のそこそこの器用さを生かして、練習用のカカシを作る。

「…よし、完成…お前の名前はコジロウ君だ!」

俺は片手にそれぞれ一本ずつ剣を持ち、カカシのコジロウ君相手に構えた。
俺も冒険に出てからそこそこ、剣の経験を積んできた。剣も一本より二本の方が強いだろ!二倍だぜ二倍!
まぁ俺ってやれば出来る子だと思うし、姉ちゃんの二刀流の動きは脳裏に焼き付いている。
見て覚えるのは俺、得意なんだ。自信あるぞ。…よし、やるぞ!
すぅ、と深呼吸。頭の中に姉ちゃんの動きを再生する。
頭の中で再生した姉ちゃんの映像を、360度視点を切り替えながら、動きをよく観察する…模倣完了。

「これが俺の!必殺!二刀ぉぉりゃあああああ…ぁあああ!?」

左、右、コンビネーション良く姉ちゃんの動きを再現するが…。
剣の重さに、全く身体がついてこない!!
俺は足がもつれると、剣の重さに負けて頭からコジロウ君に勢いよく突っ込んだ。
コジロウ君はバラバラになって死んだ。

「ん゛だよ゛も゛ぉ゛~~~っ!?いって~……あ、足!足くじいた!鼻血も!?」
……動きの模倣は完ぺきだったはず……。

『バカ、私の真似して二刀じゃなくていい。お前は私じゃない』

…いや違う。バカか俺は!
失敗して当たり前だ、俺は姉ちゃんじゃないので、姉ちゃんの身体能力までは再現できない。
要するに、天性の類まれなる剛力と、針の先を通すような巧みな器用さが無いと、
とてもじゃないがバカみたいに重い剣を2本持ってなど戦えないのだ。
俺は途端にやる気がなくなり、剣をポイっと地面に投げて寝転んだ。

「はぁ~~~アホくさ。……俺って才能無いのかな……」

寝転んだ草の感触が気持ちいい。空を見る。今日も平和だ。
そもそも地道に強くなろうとすること自体、俺の柄じゃないんだし…何を必死にやっとるんだ俺。
だいたい姉ちゃんの足元にも及ばない俺が、ちょっとくらい強くなったところで何がどーなるとゆうのだ。
オルトの兄貴は歌もカードもめちゃくちゃすごいし、ウィスタのおじ様は妖精魔法で回復でも攻撃でも何でもバッチリ出来るし、パステルちゃんはめちゃくちゃ丈夫で魔法も出来るし戦士としても戦える。
今まで通りでいーじゃないか。そう、今までどーり。戦いはみんなに頼って…。

『怖く…ないでしょ?あんまり…』
『だいじょぶ、一体ずつ、へらしていこ』
尻もちをついた俺の前に、ポタリと…血が垂れた。俺をかばって出来た傷から…。

…空を見る。今日は平和だ。でも、明日はどうだろう。
俺はのそのそと起き上がると、コジロウ君に応急手当を施し、剣を拾った。

「…こんちくしょーー!こんにゃろーーー!ばっきゃろーーー!!」

その日は夕暮れまで二刀の練習をした。
終わる頃には、気分は朝よりマシになっていた。

【その後、何日も何十日も練習し…戦闘特技:両手利きを覚えた】
【…二刀流には遠く及ばないが、動かないカカシくらいなら斬れる】


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【幕間エピソード…ジロウの悩み】


「なんだジロウか…お前の姉ちゃんは今日留守?あの人に頼みたい事があったんだけど」
小さいときからずっと、こうだった。

「イチルさんに魔物を退治してほしくて…えっ、キミ?ダメダメ、子供じゃない」
『俺だって同じリカントっすよ!剣だって習ったんっす!出来るっすよ!』
「キミのお姉さんは子供だけど、特別だから。でもあなたは違うでしょ?」
『……』
みんなが期待するのはいつも姉ちゃんで。
昔の俺は今よりバカで、よくわかんない自信に溢れてて。
俺だって姉ちゃんみたいに出来る!そう思って一人でこっそり魔物を倒しに行ったけど、結果は…。
魔物を前に足がすくんで、剣なんてまともに振れなくって。結局、駆け付けた姉ちゃんが魔物を倒して、助けてくれた。

「泣くなジロウ。おしかったな」
姉ちゃんは俺をかばって血が出ていた。そりゃそうだ。鎧も着ずに急いで助けに来てくれたんだから。
違うんだ姉ちゃん、俺が泣いてるのは。
肝心な時に俺がダメなせいで、姉ちゃんが痛い思いをしたからなんだ。
…いつも、そうなんだ。


『防御するから、ジロウさん、おもいっきり攻撃しちゃって・・!』
俺は剣を構えた!勇気を出して、魔導機械に向かう。あの時とは違うんだ、出来るはずだ…!
『ジロウは死なせはせんよ、安心せい』
(決めに行けー! ささがきゴボウのような鋭い一撃を……!)
俺は剣を振りかぶった――!!

『みんなが・・守ってくれるから・・ジロウさんも守ってね・・?』

…必死に練習した剣は、魔導機械にあっさりと弾かれた。血の気が引く。
今決めなきゃ、敵を倒してなきゃ。敵のヤバイ攻撃が、誰かを狙うのに。
俺はまた失敗したんだ。


肝心な時に俺がダメなせいで、誰かが痛い思いをする。
無理なんだよ、ダメなんだよ俺は。
二刀流だっていつまでも出来ないままで。手の豆だっていくつ潰したかも分からないのに。
出来ないんだ。
俺は…姉ちゃんじゃないから。
親にも捨てられた、いらない奴だから。


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【エピローグ】

雪の降る夜。
リカントの男の子が路地裏に座り込んでいた。
頭と肩に雪が降り積もる。
誰も気にも留めず通り過ぎていく。
「そんな所で寝たら風邪ひくぞ」
誰かがそう男の子に言った気がしたが、男の子は顔を上げる元気すらなかった。
「なんか嫌な事でもあったのか?」
幻聴ではなかった。男の子は顔をあげないまま、小さく頷いた。
「…姉ちゃんが、ケガしたんだ」
ポツリ、ポツリと男の子は泣きべそをかきながら言葉を吐き出す。
「魔物から、俺を、かばって。俺、怖くて、震えてただけで」
「俺、ダメな奴で…自分が、嫌いだ」
雪はしんしんと降り続ける。
男の子の頭の上に、優しく手が置かれ、柔らかい声がかけられた。
「そりゃ…しんどいよなぁ」
「目が覚めたら無かったことになんねぇかなとか、何であそこでああしなかったんだろって、何度も考えちゃうんだよな」
男の子は黙って話を聞いている。
「そういう時の解決法、いくつか知ってるよ」
男の子が僅かに顔を上げた。
「次そうなった時の為に、練習するんだ。お前の場合…剣の練習とか」
「他には、友達や仲間に相談する。お前が思ってる以上に、お前を助けてくれる人はいっぱいいるんだよ」
男の子が涙を拭うと、顔をあげた。
「…例えば?」
「俺」そう言って、リカントの男は笑った。

日が暮れるまで、剣を打ち合う。
木剣はカツンカツンと、小気味よい音を立てる。
男の子は最初は不安げな顔をしていたが、終わるころにはどこかすがすがしい顔をしていた。
「…これで強くなったかな?」
「いや、まだダメ。っていうか、魔物に会ったら姉ちゃん連れて走って逃げるのがベスト」
「ぉ…ぉああー!?は、話と違う!?」
リカントの男は笑うと、男の子の頭を撫でた。
「でも何もしないよりはいい。…体を動かすと、気持ちもスッキリするしな。ほら、ご褒美」
そう言ってリカントの男はサンドイッチと水筒を手渡した。
男の子は不貞腐れたような顔をしていたが、少しだけ笑った。飲む、食べる…美味い!!
「あ、あのさ…違ってたらごめん。俺のご先祖様がさ、すごい人でさ」
尻尾をパタパタさせながら、男の子は袋から本を取り出す。『Hundred!』と書かれた古い本だ。
「なぁ、あんたって…!」
男の子が振り返ると、そこにはもう誰もいなかった。
しばらく呆然としていたが。
男の子はフッと笑うと、家路へと歩き出した。その足取りはどこか力強い。
今日も家の料理屋の手伝いが山ほど残ってる。
手伝いが終わったら、また練習してみよう。
きっと…無駄なんかじゃないはずだから。

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【真/投獄されたことがある】
回転。
あちこち跳ね回って加速して、バカみてぇに身体全体でブン回って、敵の武器ごと叩き斬る。
ぶった斬られた奴がどうして負けたか分からないという顔をしたまま、くたばる。
この瞬間だけが、生きてるって感じがした。ぶった斬った奴から金目のものと食い物を奪う。
ずっとそうやって生きてきた。
生きるために戦い、工夫して、強くなった。
この世界では俺は一人きり。
一人きりだけど、誰にも従わない。
強ければ従う必要なんてない。だから、強くなった。我武者羅に。
俺は狼の王だ。

強くなるたび、ついてくる奴が増える。
ついてきたい奴はついてくればいい。
一匹が二匹に。二匹が三匹に。獣のような奴らが、何十と集まっていく。女もガキも出来た。
気づけば俺は、獣たちの王になっていた。
俺たちは好きなように奪い、燃やし、ぶった斬って、生きてきた。
そういう生き方しか知らなかった。

だから、ツケが回ってきた。
人の庭で王様気取りで暴れまわったツケ。世話ねぇな。
獣達は武装した正規兵に追い立てられ、狩られていく。
何人も捕まって、狼の王は最後の一人になった。

後ろにはもう、誰もいなかった。
ああ、清々した。
また一人に戻れた。
でもよ。
負けっぱなしってのは性に合わねぇんだ。

何台もの檻付きの護送車。兵隊がうじゃうじゃいる。
月夜に照らされたそれに向かって。俺は大きな雄たけびを挙げる。一斉に兵隊がこっちを向く。
狼の王が来たぞ。全身の筋肉が膨張する。獣の姿に変わる。
俺は弾けるように飛び出した。
回転。
木々の間を跳ね回って加速して、
バカみてぇに身体全体でブン回って、
敵の武器ごと叩き斬る。
ぶった斬られた奴がどうして負けたか分からないという顔をしたまま、くたばっていく。
檻の中の女やガキ共がそれを見て、目を輝かせる。俺に似てブサイクなガキだなこいつ。
見ておけよ木偶の坊ども。これが俺の生き方だ。
その目に焼き付けろ。俺の剣。
目に見えるもの全てを利用しろ。──俺は砂を蹴り上げ目つぶしをする。
戦術を駆使しろ。──木々が多い細道を利用して、多対一から、一対一に持ち込む。
敗北は己の中にあると思え。どんな劣勢でも勝機はある。──狭い道で跳ね回る。乱反射。
刃のついたコマみてぇになって、烏合の衆共をぶった斬っていく。
見ておけよ俺の国民共。見ておけよ他所の国の兵隊共。
これが狼の王だ。──ほら見ろよ。片付いたじゃねぇか。

残った兵隊を見る。あとわずかだ。
──兵隊の一人が、震えながら槍を向ける。俺にじゃない。
檻の中のガキにだ。

「──ハッ!」

俺は、鼻で笑うと二刀を投げ捨てた。
クロスボウが一斉に向けられ、体中に突き刺さる。
俺はゆっくりと護送車の檻まで歩く。人質がどうなってもいいのか!とか言ってやがるが無視する。
第二射にも構わず、歩く歩く。全身に刺さって、歩きにくい。
周りの兵隊がおびえだす。檻に槍を向けている兵隊の前まで来た。
槍は震えながら俺に向けられ、突き刺さったが、構わずぶん殴った。
檻を思いきりつかむと、力任せに広げる。ガキと女は慌てて逃げだしていった。
──くだらねぇ人生だった。
俺は雄たけびを挙げた。

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 ガメル 名誉点 成長 GM 参加者
キャラクター作成 3,000 1,200 0
12/19 川下りは襲撃がいっぱい?! 4,150+50*2 4,118 73 筋力
器用
敏捷
生命
1/18 襲い来る危機!村人400人大脱出 5,310 7,723 50 敏捷
生命
精神
器用
2/22 聖なる豆を守れ! 1,220 3,890 23 敏捷
4/23 魔剣と部活と600点の鍵 4,340+50 12,650 106 筋力
生命
筋力
器用
精神
5/21 500年の時を超えて 16,330 26,300 314 器用×2
敏捷×2
筋力×2
生命×1
精神×2
第六話テストでもらった成長 器用
生命
迷宮の財宝を取り戻せ! 7,050 23,325 47 精神
生命
敏捷
最終話 「よみがえる虚無の影」 5,870 21,775 100
カード使用S2,A4,敏捷の指輪破壊、魔符+1破壊、魔晶石3点×3個破壊
追加シナリオ 20,000 40,000 300 生命
筋力
精神
筋力
生命
生命
筋力
器用
取得総計 67,420 140,981 1,013 36

収支履歴

ロングソード::-440
ハードレザー::-340
スカウト用ツール::-100
冒険者セット::-100
調理道具セット::-50
保存食(一週間分)::-50
スティールブレイド::-1450
怪力の腕輪::-1000
巧みの指輪::-500
火トカゲの髪飾り::+750
俊足の指輪::-500
バックラー::-60
宗匠の腕輪::-1000
スティールブレイド::-1450
食事代寄付::-30
俊足の指輪::-500
俊足の指輪::-500
巧みの指輪::-500
巧みの指輪::-500
THEキング・キングスフォール弁当::-10
ベク・ド・コルバン売却::+900
首切り刀::-30000
ロングソード売却::+220
巧みの指輪×2::-1000
ダガー×4::-200
首切り刀::-30000
アルケミーキット::-200
マテリアルカード金(Bランク)×10::-200
マテリアルカード金(Aランク)×5::-1000
マテリアルカード金(Sランク)×2::-4000
月光の魔符+1×3::-1500
魔晶石3点×7::-2100
Aポーション×2::-200
剛力の指輪::-500
白いスカーフ::-30G
ヒーリングポーション+1×2::-400
マテリアルカード金(Aランク)×2::-400
熊の爪::-6000
スマルティエの風切り布::-25000
マテリアルカード金(Aランク)×10::-2000
マテリアルカード金(Sランク)×4::-8000
マテリアルカード金(Sランク)×4::-8000
魔晶石3点×10::-3000
巧みの指輪×2::-1000
俊足の指輪×2::-1000
月光の魔符+1×6::-3000

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